最近、SDGsやサスティナブルという言葉をあたりまえに耳にするようになってきました。政府の推進による学校教育や企業による意識改革が行われ、さらにはマスメディアも注目するようになり、ようやく広く認知されるようになりましたね。

SDGsは、2000年から2015年まで発展途上国の開発に取り組んだMDGsの後継として、途上国だけでなくすべての国が豊かさを追及しつつ地球環境を守るサスティナブル(持続可能)な活動に取り組もう、という目標を掲げて2015年に国連サミットで策定されました。2030年までに達成すべき目標として、17のゴールと169のターゲットから構成されています。

今回は、世界的に流行しているSDGs建築に注目し、海外や日本の事例をいくつか取り上げたいと思います。
本日は海外のSDGs建築2つの事例と、次回以降は日本のSDGs建築2つの事例を、2回に分けてご案内する予定です。
 
 
 『 Second Home Hollywood 』アメリカ
 
イギリス・ロンドン発祥の環境配慮型コワーキングスペース「Second Home」のハリウッドの拠点として2019年に開設されました。約8400平方メートルの広大な敷地に建つ既存建築を改修し、ワークスペースやイベントスペース、レストランなどを完備しています。興味深いのは広大な敷地の約60%を占める屋外スペースです。一万本以上の草木が生い茂るなかに透明なアクリル壁が貼られた独立型ワークポットが60戸が敷き詰められているところは大変ユニーク。さながら透明のゲル(モンゴルの移動式住居)が林の中に乱立しているようです。「Second Home Hollywood」では100%グリーンエネルギーに加えて再生水の利用も実践されており、敷地内の水はすべて2つの貯水槽に集められ、敷地内で利用されています。
URL: https://secondhome.io/garden-office-2/

 


 『  UN17 Village 』デンマーク

SDGs17目標すべての達成を目指す「UN17 Village」という持続可能なエコ・ビレッジがコペンハーゲン南部に今年誕生します。敷地面積がなんと35,000平方メートルいう広大な土地に、住宅400戸と共同キッチンやワークスペース、ゲストハウス、雨水を利用したコインランドリーなどの施設が作られる一大プロジェクトです。屋根にはソーラーパネルが設置され、電力はすべて太陽光発電でまかない、屋上には様々な生き物が生息する庭園が作られます。施設の建設には廃棄予定のコンクリートや木材、ガラスなどの「アップサイクル資材」が利用されています。プロジェクトを手掛けたデンマークの建築事務所Lendager GroupのCEO兼創設者は、単なるエコ建築プロジェクトではなく持続可能なライフスタイルを選択できる街づくりを目指しているそうです。
 URL: http://www.un17village.dk/en/

 
いかがでしたか。デンマークのエコ・ビレッジのような大規模のものは日本ではなかなか難しいのかもしれませんが、最近では「グリーンインフラ」という新しい時代の街づくりの事例が増えつつあります。グリーンインフラについては番外編でご案内するとして、次回part2では日本初のLEEDプラチナ認証を獲得したSDGs建築を2つ取り上げる予定です!